居住環境内真菌による肺障害の研究

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居住環境内真菌による肺障害の研究(肺循環障害、過敏性肺臓炎など)

◆居住環境内の真菌がヒトに思いがけない影響を及ぼしている可能性があります。

真菌の吸入による肺循環障害(肺高血圧症)に関する研究

 私たちは真菌に囲まれて生活しています。原因不明の疾患には真菌が関連しているものもあると我々は考えています。   これまでに私たちの研究室ではStachybotrys chartarum の胞子を経気管的に反復投与したマウスで肺動脈壁中膜・内膜の肥厚および狭窄、右室圧の上昇が生じることを確認しています。これらがヒトの肺高血圧症と酷似していました。  現在、その他の室内環境菌を用いて、本病変形成の菌種間差および菌株間差について検討を進めています。  さらにこのような病変がなぜ形成されるのかについて、カビ毒の関与を念頭に置いて解析を進めています

真菌が原因となる過敏性肺臓炎に関する研究

  Trichosporon asahii が原因真菌としてよく知られている過敏性肺臓炎についても研究を今後進めていく予定です。

研究内容の詳細

  1. 病原真菌の感染機構/宿主防御機構の研究(主に糸状菌Aspergillus fumigatus について)、 慢性肺アスペルギルス症の発生機序・病態に関する研究
  2. 輸入真菌症の疫学および診断法の研究
  3. スエヒロタケによる真正担子菌症の疫学および診断法の研究
  4. 遺伝子解析や抗原検出による真菌症診断法の研究
  5. 接合菌症の疫学調査
  6. 居住環境内真菌による肺障害の研究:肺循環障害、過敏性肺臓炎など